(台湾)国立交通大学 留学体験レポート

 

派遣先大学:国立交通大学

滞在期間:2017/11/10-2017/12/101ヶ月間)

名前:姫田泰聖

所属研究室:物質生命工学専攻 応用化学コース

学年:修士1

食事

台湾での食事は、日本に比べると圧倒的に安いです。台湾の弁当は、白ご飯付きで40元(約150円)という安さで食事ができました。味も基本的に日本人に食べやすいものが多いと思います。学食などに行くと「日式」というメニューが多くあり、完全に日本の味とは言えませんが、台湾でも日本食が楽しめる場所が多いです。珍味である「臭豆腐」は匂いで拒絶反応を起こしたため食べられませんでした。「鴨血」は挑戦しましたが、やはり日本人にとっては美味しくないと感じる食べ物だと思います。基本的に台湾料理は辛い物はとても辛く、味が薄いものはトコトン味が薄い印象でした。ニンニクなど香辛料の強い料理も多いです。台湾料理で美味しかったのは魯肉飯(ルーローファン)です。程よい香辛料で味付けをしたひき肉と味玉がご飯の上にのっており、肉そぼろ感覚で美味しかったです。新竹では「ビーフン」や、肉団子のようなものが入ったスープ「貢丸湯」が有名で、これらも非常に美味しかったです。また台湾ミルクティーも有名であり、タピオカミルクティーは特に美味しいと思います。普通に頼むと日本人にとっては甘すぎると思いますので、「半糖・去氷」の条件で頼むと丁度よい甘さになると思います。フルーツも多く、グァバやオレンジ、写真にあるパッションフルーツなども美味でした。

 

住居(dormitory)での生活

借りた寮は1ヶ月で8000元(約3万円)でした。シャワーとトイレが一緒になっており、入居当初から蟻が大量にいる状況で、少し小汚いイメージがありました。部屋はそこまで広くありませんが、テレビが見れる環境であったり、LANケーブルがあるので通信には困らず、寝泊まりするには十分な部屋でした。寮の1階には10元で50分使える洗濯機があります。湿気が多いので、洗濯物は1日あってもなかなか乾きませんでした。室内干しの嫌な臭いが出るので、ファブリーズなどの衣類用消臭スプレーなどがあると効果的だと思います。11月は気温の変化が大きく、寝る前はかなり暑いと感じていても朝起きたらとても寒く感じる日も多かったです。そのため、私は11月後半に2日間体調を崩し、寝込んでしまいました。また、新竹は風の街ともいわれるほど風が強く、日本で言う台風並みの風が3日に1回は吹くぐらいです。風のせいで気温よりも寒く感じました。

 

交通

国立交通大のある新竹市内は、台湾の中でも原付が多く走っている地域だと感じました。下の写真にあるように、自転車を借りて新竹中心地に行くことが一番安くて早いですが、大通りの自転車走行は危ないと身をもって感じました。交通量の少ない道を通るか、バスを利用する方が良いと思いました。台湾の移動費の支払いは、基本的に「悠遊カード」というものが使用されています(日本で言うSUICA)。台湾では、日本と同じように流れ作業で電車やバスの乗り降りが行われており、現金で運賃を支払おうとすると嫌な顔をされますが、このカードを用いるとバスの乗り降りがスムーズに行うことが出来るうえ、若干の割引がありお得です。また、コンビニ、食堂やスーパーなど、様々な場所でこのカードが使用できます。台湾のMRTや駅内でカードが発行されていますが、私のようにコンビニで買うとデザイン付きの悠遊カードが購入できます(発行料100元)。

 

NCTUの学部生との情報交換会

11月22日(水)・23日(木)に、NCTU学部生の海外留学希望者の為の留学説明会があり、情報提供者として参加することになりました。各自好きな国のブースに行き、留学情報を得る為に対話をするという形式でした。昨年は学部生の前でプレゼンすると聞いていたので意気込んでいましたが、プレゼンすることは無く、日本代表として情報を聞いてくる人のみを相手する形になりました。文系のおすすめの大学を聞かれたりしました。異文化コミュニケーションをとるには良い機会でした。英会話や台湾の事、海外からみた日本文化についてなど、逆に多くのことを学ぶことができました。参加して良かったと非常に感じています。

 

新竹市内観光

1ヶ月間、悠遊カードを利用してバスで新竹市内を散策しました。お金がなかったため毎週土曜日に、クレジットカードの使えるBigcityに行きご飯を食べたり、食料品や消耗品の買い出しをしました。Bigcityの中にはGUやDAISO、ユニクロや無印良品など、日本発祥の店が多く並んでいました。新竹駅の近くには、城隍廟夜市と呼ばれる夜市がありました。私が訪れたのは昼頃でしたが、多くの店が開かれており、台湾・新竹名物の「ビーフン」「貢丸湯」を扱っている店が多くありました。英語が伝わらなく、昼間なのに人が多くて夜市内で食べることが出来なかったのが非常に心残りです。交通大と新竹駅の間には、十八尖山というハイキングコースがある植物園のような山がありました。土曜日行ったときは10秒に1人すれ違うぐらいに人が多かったです。40~60代ぐらいの方が多く、道の途中には筋トレの器具と標識があったり、「健康」と書かれた文字が多く見られました。山の中では太極拳の練習をしている場所もあり、高齢者の運動場所にちょうどいい場所なのだと感じました。また、山の頂上には新竹市内を見渡せる場所があり、非常に気持ちの良い景色が見られました。他には新竹動物園へ出向きましたが、この1年は改修工事のため園内には入れませんでした。先輩の話ではカバや白ダチョウなど、日本ではめったに見れない動物が格安で見れるという話であったので、残念でした。

 

 

台北観光

台湾最終日、バスで台北に行きました。行きのバスで往復券を切られ、片道で2回分のチケットを使ってしまうことが起きました。その為、本来は故宮博物院へ行き、士林夜市に行ってから台北101へ行く予定でしたが、お金と時間の都合で北の方に行くことが出来ませんでした。台北101では、非常に高い建物を下から眺めることが出来ました。昼ご飯は台北で有名な中華料理店「鼎泰豊」で小籠包とチャーハンを食べました。本場の小籠包は中身のスープに鶏の味が非常に濃く、とても美味かったです。その後買い物をしましたが、新竹と違い台北は日本人観光客も多く、店員は日本語・英語両方を喋る人が多くおり、安心感がありました。また、積極的に試食させてくれるので、試食だけでおなかがいっぱいになりそうでした。時間が経過し、夜景を見るために台北101の89階の展望台へ登りました(540元)。2015年までは世界一の高速エレベーターと言われており、89階に着くまで1分も掛からずすぐに登ることが出来ました。頂上は台湾の夜景を一望できる貴重な場所であったと思います。高いお金でいい経験が出来たと思いました。台北101に行った後、台北で有名な「アイスモンスター」へ行きました。タピオカミルクティーかき氷を食べましたが、非常に量が多く、台湾人に向けて甘めに作られているため、後半の方は非常に食べるのが辛かったです。その後、有名なおにぎりを買いに台北駅近くの寧夏夜市に行きましたが、午後10時でも大行列が出来ており、バスの時間に間に合いそうになかったため、買うことが出来ませんでした。台北観光では、時間が足りず行けなかったところも多くありましたが、食べ物や景色は最高であり、台湾人の人柄の良さを感じることが出来ました。日本人には優しいと聞きますが、台湾人は単純に人と接するのが上手であり、コミュニケーション能力に長けているなと感じる観光でした。

 

台湾野球観戦

11月11日(土)に、桃園国際野球場で行われる千葉ロッテvs台湾代表の交流試合を見に行きました。桃園国際野球場までは、バスで新竹駅まで行き、新竹駅から中壢駅まで電車で移動、そこから歩きで桃園空港MRTのA21駅まで行き、A19の野球場前までMRTを用いて移動しました。 野球場では内野席が全て台湾応援で、ライトスタンドのみロッテ応援でした。自分は一塁側スタンドの上にいたので完全アウェイでしたが、台湾の独特の応援を感じる事が出来ました。日本では投球動作中に鳴り物応援は禁止されていますが、台湾では投球動作中に鳴り物が鳴り続けていました。また、台湾はどんなに点を取られてビハインド状態でも、ヒット一本で大きく盛り上がり、応援を単純に楽しんでいる感じがしました。台湾応援サイドに座っていたため、日本人なのに台湾を応援してしまいそうな雰囲気でした。千葉ロッテの選手はもちろん、台湾出身の陽岱鋼(巨人)や台湾首位打者の王柏融を見られたことが何よりも良かったです。また、日本野球と台湾野球のレベルの違いを球場で感じることができました。特に、投手力は日本野球の方が明らかに上手であり、台湾首位打者の王柏融でも日本の投手についていけていない感じがしました。ただ、数年前よりもレベルの差は均衡しているように感じたので、日本もより一層頑張らなければいけないと感じました。

 

台湾式ソフトボールの参加

愛媛大に来ていた友人のおかげで留学期間中、国立交通大応用化学科ソフトボール部にお邪魔していました。投球について日本のソフトボールとは大きく異なり、投げたボールが頭より低いままだとボールになります。ベース上にボールが落ちればストライクになり、台湾人は基本斜め上方向に投球していました。野球を経験している自分からすれば相当打ちにくく、縦振りに近い形で打たなければいけませんでした。部には初心者もいましたが、球が遅く誰でも当てやすいので、国民性が大きく反映されたルールだと思いました。皆で和気あいあいとした雰囲気で試合をしており、飛び入りした日本人でも非常に楽しく活動することが出来ました。

 

留学の感想

自分の留学の目的は主に3つで、「研究をする」「英語をできるだけ使う」「台湾(海外)文化を学びコミュニケーションする」ということでした。野球ばかりやってきた自分にとって、英語を用いて1ヶ月留学に行くことはとても困難だと思いましたが、国立交通大なら日本語でコミュニケーションとれる方が多く、良い機会だと思って気軽に留学することが出来ました。結果、1ヶ月の短期留学でしたが、留学して良かったと本当に思える有意義な1ヶ月でした。台湾の生活については、安くて美味しい食べ物も多く、街や大学内で台湾人の温かさを毎日のように感じました。愛媛大の先輩からネット環境や移動方法について情報を聞いていたので、桃園国際野球場に行って野球観戦したり、気軽に新竹中心地で買い物や観光することが出来ました。台湾での大学生活を実際に行えた事は、自分にとって非常に刺激になりました。自分たちで進んで実験し、ある程度終わったら部活に行き、メリハリのある環境を感じることが出来ました。また、研究室の生徒や、台湾交通大での留学説明会で出会った海外の人と、英語を用いて会話をする事ができましたが、英語で伝わらなかったり聞き取れなかったりすることが多く、プレゼンでも英語力の無さを痛感しました。今後、研究や仕事、勉強(特に英語力)や人間関係において、自分の習慣を変える大きなキッカケになると思っています。この気持ちを忘れずに、今後の研究生活や人生に役立てていきます。